知っているようで知らない生活習慣病
偏食、運動不足、喫煙、ストレス…。
生活習慣病はその名の通り、ふだんの生活習慣が、発症や進行に深く関わっています。
生活習慣病の中で、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満が代表的なもの。また、これらを放置しておくと、血管が硬くなる「動脈硬化」が進行し、脳梗塞や心筋梗塞などの大きな病気を引き起こす原因になります。
動脈硬化とは?
動脈硬化症というのも、文字通り「動脈が硬くなる」ことです。血管が老化することともいえます。動脈が硬くなると、血管のしなやかさが失われてしまいます。その結果、血液をうまく送り出せず、心臓に負担がかかってしまいます。また、動脈が硬くなると、血管そのものが弱くなり、破れやすくなったり粥腫(じゅくしゅ)と呼ばれるコレステロールのこぶができると、血管が狭くなったり、つまったりすることがあります。血管の内側が狭くなると、必要な酸素や栄養が行き渡らず、全身の臓器や組織が正常に機能しなくなります。さらに血管が詰まってくると、ある臓器や組織に血液がまったく届かずに、そこの壊死を招いてしまうケースもあります。
当院で実施できる動脈硬化の検査
血圧脈波検査は、動脈の硬さや、足に繋がる動脈の状態を推測することができます。
検査は、ベッドに横になり、血圧を計るのと同じ要領で両手足の血圧を計測し、約5分間で終了します。結果はすぐに出ますので、検査当日にご説明できます。
動脈硬化をもたらす4つの病
生活習慣病の中で、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満が代表的なもの。これらは「死の四重奏」と呼ばれ、もちろん単独でも恐ろしい病気ですが、重複すると命にかかわる危険が増すのです。
高血圧症
高血圧とは、血圧の値が収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg以上(家庭血圧が135/85mmHg以上)になる病気で、そのままにしておくと脳卒中や心臓病、腎臓病など重大な病気になることがあります。高血圧は日本人にもっとも多い病気で、国が行った健康調査によると、約4300万人の患者さんがいると推測され、そのうち約900万人の患者さんが診察を受けています。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が過剰な状態、または善玉コレステロールが少ない状態をいいます。脂質異常症を放置すると増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、動脈硬化を引き起こします。そしてついには、心筋梗塞や脳梗塞の発作を引き起こします。
糖尿病
糖尿病は高血糖状態が持続してしまう病気で、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌量減少や、効き目が悪くなることが原因だと言われています。血管に大きな負担をかけてダメージを与える病気ですが、初期にはほとんど自覚症状がなく、進行すると深刻な合併症を起こす場合があるので、定期的な健診を受けることが重要です。
メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満症に加え、高血圧、高脂血症、高血糖のうちの2つ以上を併発した状態のことをいいまます。メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の発症の危険性は、危険因子の数と大きくかかわっており、危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。例えば心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つもっている場合は5.1倍、2つもっている場合は5.8倍、3~4個もっている場合では危険度は急激に上昇し、なんと35.8倍にもなります。